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コンクリート中性化試験

コンクリートの微破壊試験で、
構造物の躯体強度を調査します

コンクリートの剥落リスクと直結する、コンクリートの中性化の進行状態を測定する試験方法です。コンクリート構造物の性能が低下する原因の一つに、排気ガスなどの二酸化炭素や酸性雨などの影響を受けて、アルカリ性であるコンクリートが中性化することが挙げられます。その結果として、内部鉄筋に腐食が生じ、ひび割れの発生、かぶりの剥離・剥落、鋼材の断面欠損が発生するといった事態を招くことがあります。
この事象は、コンクリートの性質に起因するものであることから、コンクリート表面からどの程度の深さまで中性化が進んでいるかを把握する必要があります。試験方法として、採取したコア表面で行う「コア表面法」、割裂面で行う「コア割裂法」、コンクリート表面をはつりとって行う「はつり法」があります。

試験方法

試験方法は、スプレー容器に入れたフェノールフタレイン1%溶液を、コアとして採取したコンクリートの切断面に散布して調べます。中性化している部分は無色で、中性化していない部分は赤紫色に変色することで中性化の進行度合いが判明します。
中性化の進行速度により、コンクリートの耐久性を増すように対策を講じる必要の有無を判断する材料となります。ドリル法による中性化測定方法は日本非破壊検査協会規格、NDI S 3419「ドリル削孔粉を用いたコンクリート構造物の中性化試験方法」を参考に行います。ドリルとΦ10mmのドリルのキリを使用します。1%フェノールフタレイン溶液をしみ込ませた試験紙で落下した削孔粉が試験紙の一部分に集積しないように、試験紙をゆっくり回転させます。落下した削孔粉が試験紙に触れて赤紫色に変色した時、直ちに削孔を停止します。削孔した孔にノギスを用いて孔の深さを小数点第1位まで測定し中性化深さとします。特定箇所の中性化深さを求めるため、削孔3個の平均値を算出し、小数点以下1桁に丸めて平均中性化深さとします。

試験風景

  • 散布前散布前
  • 散布後散布後
  • 試験体採取状況試験体採取状況
  • 試験風景試験風景
  • 試験状況試験状況
  • フェノールフタレイン散布状況フェノールフタレイン
    散布状況
  • はつり法状況はつり法状況